私たちが実行したこと
・暫定経営陣の派遣
・ファイナンス機能の再構築
・キャッシュフロー改善
クライアントは、グローバルベースでのファイナンス機能の再構築およびキャッシュフロー改善による企業価値向上を主要な経営課題の一つと認識していた。新たな経営体制への移行期間でもあった経緯から、アリックスパートナーズに暫定経営陣の派遣による集中支援を要請した。
アリックスパートナーズはCFO(最高財務責任者)、トレジャラー(資金財務管理担当者)など経営の中核として着任し、買収のクロージングから新たな経営体制の開始までの間、暫定的な経営支援を提供した。財務計画および分析(FP&A)を中心に、年間予算策定と財務組織再編を主導するとともに、グローバルベースでのキャッシュ可視化と効率化、運転資本最適化の責任者としての役割を担った。
これらの取り組みにより、クライアントは約160億円の有利子負債を返済し、年間4.8億円の利息削減を達成。さらに、ネットワーキングキャピタルを50億円削減し、企業価値評価へのポジティブな影響をもたらした。
財務改革の主要な成果は以下の通り:
1)キャッシュの可視化と予測体制の整備
週次グローバルキャッシュレポートと13週キャッシュフロー予測を導入し、資金ニーズと集中化の機会を明確化。プロジェクト開始から4カ月後には約90億円の有利子負債削減を実現した。
2)キャッシュの集中管理
日本、EMEA(ヨーロッパ、中東およびアフリカ)、米国間でキャッシュプールを構築。また、配当、インターカンパニーローン、ネッティングなどの手法を活用し、プロジェクト開始から9か月後には約70億円の有利子負債を返済した。
3)運転資本の最適化
日本においてサプライヤーおよび顧客との支払条件を最適化し、28億円のキャッシュを創出。EMEAでは資金回収プロセスを高度化し、顧客マスターデータの整備等も通じて22億円のキャッシュを創出した。
4)グローバル財務機能の構築
暫定経営陣就任期間後の改革のモメンタム維持を企図し、財務管理プロセス、システム、組織体制、銀行取引体制を新たに定義し、次年度以降の具体的な導入計画を策定した。
約70億円
の有利子負債を返済
約50億円
のキャッシュを創出